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冊封琉球使録集成 全11巻セット

Category : 冊封琉球使録集成

書籍名 冊封琉球使録集成 全11巻セット
定価 199,760円(税込)
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近世東アジア世界から琉球を視て、琉球を通して東アジア・日本を視る!!
16世紀から19世紀にかけての琉球王国の実像を読み解く!

1.中国皇帝の使者―冊封使

 近代以前の東アジアの中心は中国であった。周辺諸国は中国を宗主国(そうしゅこく)とし、各国の国王に任命する詔勅(しょうちょく)を中国皇帝から授けられた。皇帝の言葉を『冊(さく)』、諸侯や国王に任命すること、土地を与えることを『封(ほう)』という。そして皇帝から国王に任命されることを『冊封』といい、その使者が冊封使である。琉球国王は1609年の薩摩による琉球侵略以前から、中国皇帝による冊封体制のもとに組み入れられてきた。

2.冊封使の任務遂行の記録―冊封使録

 冊封は、中山王武寧(ぶねい)(1404年)にはじまり、最後の国王尚泰(1866年)まで462年間に23回にわたって執り行われた。冊封使の任務遂行に関する記録が「冊封使録」あるいは「使録集成」と呼ばれる史料群である。陳侃(ちんかん)『使琉球録』(1534年)から趙新(ちょうしん)『続琉球国志略』(1866年)に至るまで14冊(張学礼(ちょうがくれい)は2冊、汪楫(おうしゅう)は3冊)刊行され、中世から近世にかけての琉球王国の実像を記した基本史料として、高い評価を受けてきた。とりわけ徐葆光(じょほうこう)『中山伝信録』(1719年)、周煌(しゅうこう)『琉球国志略』(1756年)は日本においても和刻本が出版され、江戸時代の日本の琉球認識の情報源となってきた。しかし、高い評価とその重要性を認められながら、冊封琉球使録は、原テキストの入手の困難さともあいまって、一般の人が読めるような形で紹介されることはあまりなく、研究者にとっても近寄りがたい史料群であった。

3.全使録の完訳注―冊封使録の集大成

 『冊封琉球使録集成』全11巻は、現存する使録の全部を、平易な現代日本語で完訳し、詳細な訳注を加え、さらには原本を影印または校訂した新組版で収録した冊封使録の集大成である。本集成全11巻には、最も古い陳侃(ちんかん)『使琉球録』から最後の使録の趙新(ちょうしん)『続琉球国志略』に至る、460年の琉球王国の歴史・地理・風土・風俗・芸能・工芸・言語・伝説等が収録されており、その歴史は琉球王国の史書である『球陽』『中山世鑑』『中山世譜』にも大きい影響を及ぼしている。冊封使録研究は琉球史だけではなく東洋史の研究にとっても一つのテーマであり、近年の『歴代宝案』やその周辺史料の研究によって重要性を増しており、平易な訳文、注、原文の集大成の意義は深い。

〜訳者略歴〜

原田 禹雄(はらだ のぶお)

1927年、京都西陣に生まれる。1951年、京都大学附属医学専門部卒業。らい医学専攻。
京都大学医学部助手、国立療養所邑久光明園医長、同長島愛生園医長を経て、国立療養所邑久光明園長となり、1992年退職。同園名誉園長となる。医学博士。現代歌人協会会員。

●主な著書 歌集『踽踽涼涼』、『麻痺した顔』、『天刑病考』、『この世の外れ』、『冊封使録からみた琉球』、『琉球と中国―忘れられた冊封使』、『琉球を守護する神』、『尖閣諸島―冊封琉球使録を読む』、『封舟往還』 主な訳注書 『冊封琉球使録集成』全11巻、『琉球神道記』、『明代琉球資料集成』、『琉球國旧記』、『質問本草』

三浦 國雄(みうら くにお)

1941年、大阪市に生まれる。大阪市立大学文学部中国学科卒業。京都大学人文科学研究所、東北大学、大阪市立大学を経て、大東文化大学文学部教授。2011年、同大学定年退職。

●主な著書 『朱子』、『易経』、『気の中国文化』、『風水/中国人のトポス』、『朱子と気と身体』、『不老不死という欲望』、『風水・暦・陰陽師―中国文化の辺縁としての沖縄―』、『朱子伝』など。



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